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[暮らしと社会の話題が分かる解説集] - [s28]


当掲示は、中庸的で正しい解説を目指し、難しいことをやさしく表すよう努めています。
多様取材・一般者の平均的意向の抽出のほか若干数の見識者による監修を新聞社方式で
行っており、平均的意見の紹介はしますが個人的感想や独断・偏見は無いのが特長です。


<ウィンドウズ系の閲覧ソフト(ブラウザ)では、配列がずれて見えることがあります>



[s28]           掲示:'11-3.19  部分修正:'16-Y.24(ver. a3d.)
津波潮流の対策と原発の防潮問題


原発重大危機の原因となった津波対策を、機能面から考えてみました。
   
原子力発電に代る自然エネルギーのような低公害の発電へ順々と置換えていき、それまでの間はとりあえず原子力発電を続行するより仕方ないと考えている、中立的な立場で記述を進めます。

一部の人が主張している "原発は即時廃止" のように急激な方向をとると、電力不足によって介護医療類の停止脅威・暗夜道路の危険性や鉄道本数の制限そして生産活動や経済力の低下など社会に弊害が起きます。
そこで、今まで活動中だった原発は取り敢えず続行しておき、自然エネルギー発電などの電力で代行可能になった原発を、順次廃止していくようにすべきではないかという考え方です。


[ずばり要点]
                     避難用の照明塔付 波返し堤の例
堤(^)照塔付 o 津波高さは先頭の浪頭 (なみがしら)でなく後方波高
o 津波高さの推測に誤認を基に算定した対策は危険
o 防波堤だけでは防ぎきれない潮流被害も対策必要
o 設備の設置場所・自然力利用・耐水機器を計画要
o 冷却する海水含有成分の影響・障害差異の認識を
o 原発反対なら代りの電力確保が実現可能な方策を
o 炉心の過熱-溶融-水素爆発の事故へ定期訓練必要
o 近地勢の福2に比べ福1だけが大災害は対策不備の人災
o 原発事故が潮被災の元凶と解明すれば世界の対策へ参考
o[再生可能エネ] は自然系に実在しない嘘で公式名に不適

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(原画=防潮堤/Google画像集)
[ 本 文 ]


津波と潮流の現象  

津波が4階建てビルの屋上を超えたという場合、そこが津波の高さと思いがちですが、そうとは限りません。
潮の量が多く流れが早い場合は、潮の先頭が建物などの壁に突き当ると先頭が壁を登り上がる現象が起きます。これは手近な水場で小物へ水を流してみても観察できます。
図1のように、そこの高さが津波の高さではなく潮流の到達地点・到達高さです。後方に続いて押寄せている潮の平坦な上面が津波本体の高さです。

潮+波返し堤-1 
     
高台の直下へ津波が襲来すると、潮の量が多く流れが早い場合は、潮が後から押寄せる流れに押されて盛土の斜面を流れ上がる現象になります。台地基部が斜面ではなく垂直の壁だと、潮の本流は真上へ吹き上がるだけで高台上まで登る現象は起きないので、潮流の影響はかなり違ってくるようです。
   
そのほか、今までに分かっている潮流の様相は次のとおりです。状況に応じた避難が必要になります。
   
o 堤防高さを超える分の潮流は、外洋と殆ど同じ速度で突入し、潮の流速圧が大きいと陸上の機器を破壊し押し流す。
o 津波は入江では潮が高くなる。津波の壁が入江で絞られ、後から来る潮流の勢力に押されて流れ込む現象と思われる。
o 遠浅の海岸で潮の高さが高くなり、流れが遅くなる。水深0 mの波打ち際では津波本体高さの3倍程度になるとの説がある。
 
防波堤の工夫     

津波や高波が防波堤の傾斜面をよじ登る現象を防ぐには、波返しの構造を設けると有効です。
図2は海側に波返しの突起部(オーバーハング)を設け、頂部は傾斜させた例です。
波返しが無い場合は、堤防高さをかなり高くしておかないと、潮の先頭が堤防の内側へ流れ込んできます。
   
(a)小津波が来た場合 

 堤よりも低い津波の波頭が堤の上部を乗り超えない効果があります。
 堤の突起部は、潮の圧力で破断しない厚さ・長さの最適設計が必要です。
   
(b)限界高さの津波 

 堤の高さとほぼ同じ高さの津波は防波堤の保護限界です。
もし波頭が堤防頂部へ達した場合は、陸側に海水がない初期状態では、潮が傾斜部で持ち上げられて内陸側へほぼ自然落下する作用が働き、潮の流速のエネルギーが殆ど消滅する効果が生じます(図cも参照)。
   
(c)大津波の場合 

 堤の高さを超える巨大な津波が襲来した場合は、残念ながら堤の内側で潮の流速がいくらか低減する程度の効果しか期待できません。

波返し防波堤の一例を図2bに紹介しておきます。

          図2b 波返し防波堤の例 
(a)全曲面の波返し堤     (b)裾広の波返し堤(奥側の堤)   (c)通行門,避難階段付 波返し堤

堤(a)全曲面  堤(b)裾広景  堤(c)階段 長 
<出典: (a)[防潮堤]/Google画像集     (b)[防潮堤]/Wikiペディア      (c) [防潮堤]/Google画像集 >


巨大な津波が襲来すると、堤の高さから上の部分の潮だけが内陸側へ突入するので、堤から入って来る海水の量は津波全体の潮の量に比べてずっと少なくなります (現実には、堤高さ以下の潮も後から押される圧力で若干量は堤を乗越えてきますから、堤防高さから上の潮の量よりも幾らかは多くなると思われます)。
   
堤の内側は津波の頭の方の潮だけなので量は少ないとは言っても、津波の規模によっては流速が津波本体の速さのままで堤の頭を乗越えますから、バケツの水を浴びせる状態で内陸側へ飛び込んでくると想像されます。
津波本体の水量と流速による破壊力は、堤防の内側では減少する傾向になるのが、防波堤の大きな効果の一つと考えられます。
   
そのほか、今までに分かっている防波堤と潮流の様相は次のとおりです。
  
o コンクリート製堤防は、強度が弱いと津波で決壊し、根入れが浅いと倒れて堤が寸断される傾向がある。
 コンクリートによる建造は、鉄筋の吟味と共に硬さ(スランプ値)の配慮が必要。
o 防波堤の内側が土面の場合、堤防を越えた潮の落下で土面を削り堤防が破壊することがある。防波堤の内側も舗装が必要。
o 防波堤の直前に設けた波消しブロック(テトラポッド類)に途切れ箇所があると、途切れ部分で津波が絞られて潮流の勢力が増し、堤防が壊れる傾向が出る。
 テトラポッドは魚礁に有益な反面で人の滑落死亡事故も多い。「波消し-ブロックは、堤防破損を考えると初めから置かない方が良策」との現地関係者意見もある。
   
重要機器の防潮対策   

福島第一原発の重大機器は、電気が切れて全ての安全装置が機能しないため、小さな障害から始まって大事故へと、安全化の自動機能が働かないまま次々と発展したのが元兇と考えられます。
元兇の根源は、津波潮流の流速圧と浸水によって非常用電源が壊れ動作不能になったことと、冷却系ポンプの不動と発電機動力源の燃料タンク流失などの障害も加わったのが原因と見られています。
   
なぜそうなったかは、設備の計画として確率論による津波襲来の規模想定とその規模の対策をしただけで、規模を上回る津波が起きる可能性に対して構えを怠ったと思われることが一つです。更に、原子炉に予想外の異常が生じた場合のマニュアルはあっても、消防訓練のように実践訓練を行っていなかったことが二つ目です。
   
また、予測を上回る障害発生の場合をタブー視する経営陣の方針があったと想像され、現実に、社内で危機を予想したり改善策を提言しただけで即刻左遷される事例が報道からも察知されました。
会社側が、設備機器の機能を活かして使う方向ではなく、安全化の性能を持つ設備の活用を封じてしまい、そのことが大きな損壊を招く事態などの予測を欠く、人為的な災害だったという印象があります。
   
地震による大きな障害は殆ど無かったようです。炉の加熱は自動的に停止して安全状態になり、重量物の発電機には回転軸が折れる事故も無く、タービンにも羽根が吹き飛ぶようなコルダーホール原発のような現象も起きませんでした。問題は地震ではなく、原子炉に対する津波の防潮対策の方にあったわけです。
   
原子炉の原理をよく知らずどこが危険で何が安全化されているかを知らない庶民が、原発は危ないと思うのは無理もないと思います。
しかしその考えは偏見ではないのでしょうか。すべて文明の機械装置類は大なり小なり危険な側面を持つものですが、社会から排除せず日常活用しています。

[ 女川原発 ]や[福島第二原発]も福島第一と同程度の津波を受けたのですが、重大危機には至らず、その後は安全に稼働を再開して今は健全のようです。
大事故の原因は報告書を待つことにし、ここでは津波の襲来から原発機器の障害発生までの間の事象と対策について、機能を中心として述べていきます。
        
        
防波堤とか防潮堤と呼ばれている堤は、船の出入りや港湾の都合などで開いている部分がありますので、堤が無い部分から入る津波が殆どそのままの勢力で陸側へ飛び込んでくると考えておいた方がいいと思います。 重要な機器類は、浸水のほか潮力による破壊への対策が必要になります。
                
防潮壁を重要な設備の屋外機器などの周囲に設けたり施設所の全体に巡らしても、改造工事や災害などで防潮壁の一部分が欠落した状態になる期間も予想され、そんなときに限って津波が襲来する事態もあり得ます。
   
そこで、非常用の電源・保守装備などの[重要機器]は、機器自体の防水性や潮流耐力・浸水対策を万全にしておくことが、堤を設けることよりも重要な対処とも言えます。
設備機器類を、分散設置した耐水・耐潮流の建屋の中に設けるか、一つの耐水建物の中へ全てを設置するのも、防潮対策としては優れた方法と思います。
      
注意すべきは、設置機器を盛土の上に設けても、津波の流速が速い場合は潮流が盛土の傾斜面をせり登る現象です。
一方、個々の重要機器の防潮対策は、一般論として次のような手段が考えられます。
                 (次の a-eは、フジ プライムニュースを参考)
(a)設置場所・防水の処置の例 
o 潮に流されない堅固な防水の建屋の中に、重要機器を設置しておく。
o 潮流の影響を受けない高い場所か高台に、重要機器を設置しておく。
o 予備機器を安全な場所に保管しておき、非常時に移動してきて使う。
   
(b)自然力を利用した対策の例 
o 高所の貯水タンクから流水を導いて消火する。
o 重要機器を床面の浮箱(船)の上に設置し、水没無用で使う。
 
(c)重要機器の耐水強化の例 
o 重要機器は外郭で防水にするか、水中ポンプのような耐水型を使う。

(d)設備・機器の予備機融通の例 
o 重要機器と互換性・共通性がある移動型などの予備機器を各社で共有するか中立機関などが所有し、融通し合って使う。

(e)重要機能の代行方法の例 
o 重要機器の機能と同じ結果が得られる別の方法を考えておき、非常時に切換えて動作させる。

       
原子力発電への不安憶測の解消   

今回の福島第二原発事故は、放射能が漏れる危険状態の最中です。炉心冷却が平常になって危険状態が収まるのは1年後か何年後か、そして電発の放射能もれが収束して安心できる段階までは何十年かとも言われているようです。
   
住み慣れた場所を離れ、放射能避難の最中に無くなった重病人や年寄りもあり、一方では原発の復旧計画が未定のため被災地域では生活設計の目処が立てられず、現実の損害のほかに機会損失が大き過ぎて困っている方々が大勢います。
   
原子炉は核爆弾のような爆発はしない筈です。なぜなら、一つは[制御棒]という放射線を吸収する素材が炉心に多数挿入されていて核反応(連鎖反応)を妨げるようにしてあり、制御棒を出し入れ調整して核反応を緩やかにしたり止めてしまう構造になっているからです。
   
もう一つは、核燃料の周囲に満たした水(沸騰水型の炉の場合は軽水=普通の純水)が、熱源用の核分裂を進めている [中性子線] の放射速度を鈍らせ、これも核反応を緩やかにする働きをします。水の層が厚ければ放射線が更に減速して核分裂の作用が減衰するので、結果的に水が放射線を遮蔽する効果もあります。
                
更に三番目に、放射能の材料が混合セラミック状の混ぜ物で、爆弾のようにウランとかプルトニウムの素材が純粋ではなく、量も少なく、緩やかな核反応をするのに適した混合材料のため、蒸気発生用の湯沸かしに向いた構造になっています。
        
 (参考)
: 炉心の素材 [ 燃料棒 ]/Wikiペディア

   
つまり、ゆるやかな反応しかできないので、チェルノブイリの核爆発でも建物が消えて無くなるようなことはなく、核爆弾のように瞬間的な核反応の全量大爆発は、起こそうとしても起きない筈です。
     
福島第一原発では構造が違うこともあり今後も核爆発は起きない筈ですが、冷却水位が下がった部分の核反応が活発化して高温になり、燃料容器の一部分部が溶け落ちる状態(メルトダウン)は生じたようです。
                
目下は緩やかな核反応も止まり、溶融箇所の部分的な核分裂と容器内に残った僅かな放射能とが漏れ出ている状態と思われます。炉心が "核爆発はしない"のは当然のことなので、ことさら不爆発の表明をしないのだと思います。
        
 (参考)
: 原子炉の解説[ 原子炉の基本構造 ]/四国電力
     : 原発の概要-図解
[ 4.3 原子炉 ]/山賀 進
     : 原爆の原理
[ 原子炉と核爆弾の違い ]/四国電力

福島事故のすべての根源は、潮流による障害事故で冷却水が炉心部などへ回らなかったことだけ、ということがほぼ明らかになっています。そして全機能の自動化と安全化を行う装備が、停電のために動作しなかったことが大きな痛手でした。
         
福島原発の建設当初に、専門家・学者の何人かが夫々の立場から大津波の危険性を進言したとの談話を聞きます。また、津波の予測と対策を提言した回顧録を新聞や雑誌で幾つも見受けます。

電発建設側は、津波への対策を知らなかったのではなく、潮流対策に努力した様子もありません。知ってい乍ら怠けた所業は重い罪悪になります。
取り立てて言う程の津波対策を施さなかったので潮流によって水冷装置が損傷し、そのため炉心が高熱化して異常状態が次々に起きたのが目下の危機事態の原因と見られています。
   
使用中だった沸騰水型軽水炉は使用経験を積む実績があり、原発設備の全体に落度などは無く、致命的な欠陥は見当らないようです。
水冷が不能になる直前は、津波による大きな打撃もなく、安全は保たれていた筈です。 炉心の急停止による温度管理・処置などの再開準備をすれば、発電は再開できる状態だったと思われます。
   
今後は潮流の破壊力を加味した対策が施される筈で、そうなれば今回のような原子炉の危機を招くことはあり得ないと思われます。
ここでは原子炉の危険性と安全性などを説明していきますが、原子炉が安全な装置だとは考えていませんので誤解がないように願います。構造も知らずに危険だ安全だと言うのは不当なので、装置の "安全化" がどの程度のものなのかを理解しておけるよう、つとめて客観的に考えていきます。
          
福島第一に潮流対策が強化してあったとした場合のシミュレーション(現象の仮想再現)をしてみたらどでしょうか。 発電所としての設備は一部分に地震・津波の振動・衝撃による障害が起きたとしても修復できる程度で、潮流の障害が無ければ、福島第二原発の場合とほぼ同様に、全体としては今の現実に起きているような致命的な危機や障害などは発生しないことが明らかになると思います。
   
原子炉をめぐる安全装置は何箇所にもそして何重にも仕掛けてあり、原発は社会に支障が出るほど危険な装置ではありません。しかし乍ら、安全を確保する装置は少数個所が機械的な自動作用で働くほかは、殆どの機能が電気じかけで動作する構成なので、電源が生命線です。電源が断たれない限りは幾重にもしかけてある安全動作が働らき危険を避けられます。

原子炉を使う発電装置では安全を確保する機能を要所に多種多様備えているので、電源が平常通り通電していればさした障害も起らず運用ができます。世界各国でも古くから原子力発電を採用しています。
          
津波対策を怠らなければ非常電源が使え冷却ポンプも働いて、現時点の設計による原子力発電は、通常に使えば安全・安心で頼りにできる電力供給源と考えています。 ほかに大電力発電の有効な方式は今のところ存在せず、潮力・地熱発電では場所が限られ、風力や太陽光の発電では多数設けても僅かな電力量しか発電できないのが難点です。
   
福島の電発危機は、回避が [できなかった] のではなく回避 [しない] ようにしてあったことで、それは防潮対策が不可能だったのではなくしなかったのが原因、と読んでいます。この辺が一般者にとっては理解しにくく半信半疑かもしれませんが、原発は爆弾のような危険なものではありません。 原発が危険なのは、異常者が発電所へ侵入するか、超大型の飛行体・大型流星が炉心を直撃した場合だけ、と言われている程です。
   
原発の [本体] の主機能は大地震の直後も健全で、たった一つの水冷障害さえ無かったなら、地震後の発電所は再開調整期間の後に電力供給ができる状態だった筈です。
いずれ証明される大きな問題ですが、精密なデータが無く大雑把な状況判断だけの現時点でも、大筋では間違いない観察と言っていいでしょう。
   
原子力発電の機能構成と津波の破壊力による損傷   

原子力発電の場合、主機能は [ボイラー](室)と [発電機装置](室)です。それらを安全に動かす [制御・監制機能](室)を加えた3機能が主力です。
発電機装置は、蒸気タービンを設けておき、ボイラーで沸かした蒸気圧をタービンへ注ぎ、タービンが蒸気圧で回る力で発電機を回す構造になっています。
   
ボイラーの熱源に石炭や石油を使うのが [火力発電] で、ボイラー熱源に原子炉を使うのが[原子力発電] です。
なお、ボイラー無用で可燃ガスによりタービンエンジン(ジェット機エンジンと原理は同じ)を回し、その力で発電機を動かす [ガスタービン発電] も商用発電に採用されているようです。 石油系燃料によるレシプロエンジンで発電機を回す方式は、船舶用の大型発電機のほかは作業用の移動型など小規模な発電が主流のようです。

   
今回の巨大地震では、地震の振動・衝撃だけだったなら、ボイラーによる加熱が自動停止しても発電機の方は特に障害は無かったと思われ、準備を整えてから発電を再開できた筈です。福島第二原発や女川原発(東北電力)は、大過をやり過ごして無事に再開した現実の例です。
   
福島第一を整理すると、ボイラー・発電機装置・制御監視機能には重大な障害がなかったことがほぼ確実のようでしたので、これが重要点の一つです。
一方、潮流が起因で水冷機能と非常電源が同時に消滅したことが、今回の重大危機の根源と見られています。
   
電源が断たれたため、自動制御による安全化操作が不能になり、同時にあらゆる動力が使えなくなって冷却水の循環やボイラー系の調整など全ての自動・手動動作と状態監視ができない事態になってしまったようです。
その結果、今回の放射能危機が起り、発電量不足状況など様々な非常事態の根源となってしまいました。
   
水冷ポンプがなぜ動かなかったのかは、ポンプが潮流で破壊したためとの説もあります。 真相はいずれ公表されると思いますが、いま考えられる原因の要点は次のとおりです。 
  
(A)非常用発電機の障害 
 発電機をまわす動力エンジンの燃料タンクが潮に流されたとの説。
 発電機本体が潮流の影響で損傷し、発電能力が失われたとの説。
 発電機自体が津波の潮流によって流されてしまったとの説。

(B)冷却用ポンプの障害 
 電動ポンプが塩水浸水で短絡状態のため、動作不能だったとの説。
 ポンプが津波の潮流の影響で破損し、動作不能だったとの説。
 ポンプ自体が津波の潮流によって流されてしまったとの説。

   
原子炉の技術面・原発の経済性と今後の方向   

技術面から見た原子炉 

福島で使っている[沸騰型軽水炉]のほか、電力会社によって[加圧水型軽水炉]の採用もあり、[プルサーマル]という軽水炉に似た方式もあります。
どこが良くて選んだのかは、選んだ本人に聞いてみないと分りません。
   
夫々に一長一短があるようですが、どれも現実の運用に致命的な欠陥は無く、安定した現用をしているようです。
福島第一の軽水炉は、燃料中の水分障害や容器棒の腐食問題がありましたが、今は改善されて問題点は解決されているようです。
   
原子炉は危険をはらんだ装置というのは当たり前のことですが、それは中身の話で、分解して見たりしなければ安全に出来ているのは当然です。仮に危険だとしたら、操作する人はみんな逃げて居なくなってしまうでしょう。
   
原子炉の安全化(自動化した装備による保安機能)はほぼ完璧に近いと考えています。しかし危険性は僅かですが存在しているのは事実です。 炉心へ衝撃破壊を加えた場合は放射能飛散の危険性がありますが、そのような故意の行為が生じることは地震災害がやって来る機会に比べると無視できる程度でしょう。
      
5月27日のG8サミットで原発の安全強化が今後の目標になったようです。原発は決して安全な装置ではないと考えますが、それだけに安全化の対策は怠りが無い筈です。日本では現用の炉の型別に地震耐久性も加えて装置の安全化はほぼ完成されている筈で、これ以上どこを安全強化をするのでしょうか。残っている課題は、装置ではなく取扱う人間ということでしょうか。
   
運用方式は個々の原子炉の型別ごとに定着しているようです。装置の細部的な改良は必要でしょうが、異常や障害が発生した後の操作手順のほか、原子炉以外のタービンや発電機など、機械系の危機対策に問題があるということでしょうか。
とにかく原子炉装置の方の安全性は、ほぼ達成されているように思います。
       
原子力発電のしくみや技術を大雑把でも知っている人は、原発反対を唱えたり反対運動などしません。それは、原発は安全装置が危険から守ってくれることが分っていますし、原発の発電量は総量の3割で、それを全て止めたら単純計算で日に3割時間が停電になってしまい、自分の首を絞めるようなことは得にもならないことを承知しているからです。
   
原発に危険な可能性があることは紛れも無く確かなことです。それは「可能性」です。ですが、大多数の人は強固・穏便の差はあっても、できることならば全原発を止めてしまいたいと感じている筈です。しかし、止めると不足する電力の全量を、今すぐに補う方法がありません。
   
だいいち、原発の設備はそれほど危険ではありません。原子炉運転は危険阻止を全部押さえている筈で、暴走阻止が無い自動車よりも安全な筈です。"福島よりも津波が大きかった” とも "同じ程度だった" とも言われている[ 女川原発 ] や、[福島第2原発] では危機は起らず現在も稼働中です。
   
原発反対派の人は、将来対策のほかに何が反対理由なのかどこが危険なのか、肝心なところを説明できるのでしょうか。原子炉装置の異常阻止は、予測される全てが対策済みで安全化されている筈で、残っているのは操作する人間面の問題だけではないかと思います。
 
[第1原発] だけが大危機になった原因は、津波に対する対策が不備だったことです。不備だった理由は、対策の基本方針を担当者が決めたとは考え難く、上層部が決めた方針に従って具体策が実施された筈で、その後も学者・専門家など何件かの危険指摘・是正提言をわざと無視してきた行為が原因でしょう。その結果が人道的・社会的な大被害になりました。

福1と福2は近場に存在し、ほとんど同じ地勢環境の立地で設営されていたので、津波の襲来による障害もほぼ同程度に影響した筈ですが、福2の方は辛うじて大災害にはなりませんでした。
福1だけが重大事故に至ったのは、福2のような潮流対策・浸水回避などを対策しなかったことが根源にあるのは明らかです。もし、福2と同程度の対策が施してあれば、福2と同様に大災害にはならなかった筈だと考えられています。 つまりは不作為による人災と言えるでしょう。

放射能漏れによる移転・環境激変が直接原因で多くの方々が体調を崩したほか間接的影響で失命に至った被害も生じました。多数者が異常な生活を強いられる状況の損害も共に、金銭には替えられない大きな損害となっています。

福2の建設は、[費用対効果] の観点から費用を要する津波対策は採らなかったと見る説もありますが、当初も運営途上の見直しでもその検討はなかったと判断されます。
もし費用対効果の検討をしたなら、対策しなければ事故発生で何十億円の損害賠償ほか多数の労力と復旧費が予測され、対策に努力しておけば少しの復旧費で済み大きな得策になるとの結果が得られる筈です。

過去の経験則による防潮堤高さや、最新の津波予測・対策最少処置などの情報があったにも拘らず福2並みの処置を講じなかったのは、努力を怠った結果の障害発生だったと判断されても当然でしょう。

"故意の過失なので殺人・障害未遂罪に類する罪だ" と言う意見もあります。"建設費を切り詰めた結果の惨事だが、賠償すればそれでよい" とする見方もあります。しかし目下は罪・責任よりも事故の真因究明・再発阻止が先決で、同時に原発存廃の決定も火急の問題点です。
    
原子炉停止による当面の節電を守っても限界があります。老人が多い状況では、救急設備や医療機器・介護器具類を止めると生命維持にも影響することになります。 節電は、産業、経済・内外情報、防衛ほか安全維持などを妨げ、社会機能・経済活動にも悪い影響が出ますので、本来ならあってはならないことです。
原発を止めてしまうのは、社会だけでなく反対運動派以外の大多数の人々にとっても甚だ迷惑なことになります。
     
太陽光と風力発電が有望との説がありますが、そんな程度の発電量では不足分を補えません。 全国の家庭に光発電を設置しても必要総量の7%にしかならないとの試算があります。原発を止めるなら、電力不足をどう解消するかの具体策を考えておかなければ、無責任な言いたい放題だけの暴徒に過ぎません。
   
風力発電を併用すればとの意見もあります。これも発電所1基の量に比べて微々たるものです。山・野の風通しが良い地点でしか有効に発電できませんし、発電塔が林立すると景観やふるさとの雰囲気など吹き飛んでしまう場合が多いでしょう。かなりの量が必要な電力を補うには足りない手段と思えます。
     
原発反対の活動派が自分の停電状態をどうするのかは自身の問題ですが、電力不足でその他大多数者の生活を阻害し社会が停滞する状態を考えてみたのでしょうか。理想は立派ですが、現実に起る事態を無視するのでは、テロ活動と同様に見えてしまいます。
     
電力不足を少しでも解消するため、原発反対派が出資し全所帯に太陽光発電を設けてくれる覚悟があって当然でしょう。それでも屋根の面積が狭くて所帯の必要電力量にならない場合が多数ありそうです。アパート類ではなおさらの状態です。
   
或る村長さんが言っていた「原発は仕方ないというのが実態」と述べていたように、それが圧倒的多数の民意です。
積極的な原発賛成派はごく一部の人、反対運動を起こすような人も僅かな人数に違いない筈ですが、諸国の世論調査などで反対者と賛成者が半々程度(ギャラップ調査=賛39%:反47%, 世論調査機関=賛49%:反43%)とのデータは、世論を正しく現していないと考えています。"どちらとも言えない" の集計枠が欠けているからです。
   
言い換えると、"どちらかと言えば賛成/反対"の意見が出ていないわけですが、その形で賛・否を分けた質問をするのも実は誤りと考えられます。回答者は内心では賛成と反対の意見が交々共存しているからで、"どちらかと-" の回答を、集計の際に積極的 賛・否の枠へ合計してしまう結果になる設問は、原発賛否の場合は正しくないのです。
   
原発の問題点は、原子炉が危険か・放射能の障害が起きるかの問題が根源なので、原発の実態をよく知らない人々に賛否を聞いてもあまり意味がなく、単なる感想の意識調査に過ぎません。強いて尋ねるとしても、この場合は結局は放射能への物理的な影響度ですから、答える人の社会的な立場には殆ど関係がありません。
   
その環境条件は、どの人もほぼ同じ状態であり、特に答える人の場所・地点が同じなら、別の人が回答してもその人の環境は同一なので "どちらかと言えば" の回答が賛・否のどちらであっても同枠内へ集計すべきと考えます。つまり、どちらかと言えばの賛/否意見は気分によってどちらかへ転ぶだけのことで、同一枠の回答とみなすのが妥当と考えられます。
    
なぜなら、社交関係や身分など立場によって賛・否の意見を持つ人は、通常は積極的な賛・否の枠へ回答する筈ですから "どちらかと言えば-" の中間的な回答枠へは上がってこない傾向になります。そのため、原発の場合の中間意識層は、地域・場所に応じて誰もが等しく受ける被害の "物理環境条件" だけの傾向になるのが、一般の世論調査と違う点です。
        
マスコミが "原発反対の国民意識" のように報道していますが、大多数が断固反対してはいない筈です。原子力発電は誰もが反対の気持を持っているのは確かでしょう。しかしやむを得ないと考えている人々が居るのも事実です。
純真な一般者を煽動するような報道はしてはならない事です。誤報としか思えませんが、正しい根拠があるなら示すべきです。
   
その止むを得ないと考える人々が集計されないようなアンケートは実態を現していないとしか思えないのです。これは偏見ではなく誤った考えでもない筈です。この真意がよく理解できない場合は、誤りか正しいか解るまでよく考えてみて下さい。
       
結局、原発のアンケートは 断固賛成・断固反対・その中間 の3設問が必要で、その他(わからない、等)の項目を加えた場合は4項目の調査でなければ、実情を正しく表せないと考えています。
    
菅総理が原発反対派の肩を持つような発言をしたり、原発の維持・推進に曖昧な態度を続けるとしたら日本の発展のためにならないでしょう。
国の技術を高め文化水準を保つには、原子力発電の手段に依るほかないのが実情です。
          
ここから先の小文は、冗長で長くなります。 原発反対運動の人以外は次の文節(青色の題名)までは読まずに飛ばして結構です。
以下は、社会の危険面でなぜ原発だけを全廃すべきと考えるのかの疑問や、原発機能の正しい理解をできるだけ解り易いよう噛み砕いた補足説明です。
        
"安全神話"という言葉を聞きます。福島第一原発で危機に及ぶ事故が発生したので、多くの人は原子力発電は安全ではないと考えているようです。しかし安全性に問題があるとの説は現在は当てはまらないと思えます。
   
昔は神頼みの面があったかも知れません。その後は技術が日進月歩で進み、今はほぼ満足すべき自動安全化が達成されています。
福島第二原発の方は、重大な危機など起らず今も稼働しています。女川・柏崎ほかの地震・津波災害を受けた原発の何箇所かも、大きな障害は無く運転中です。
   
原子炉には改良すべき機能は幾つもある筈です。しかし加熱炉の方式など機能の根幹を変更しない限り、使い慣れた装置で小さな改良をし乍ら使い続ける分には ほぼ安定した自動的な安全運転を続けることが可能です。方式の改造などの大きな変更をすると、必ずと言っていいほど初期故障が起きたりその後も偶発故障に悩まされたりで、却って不安定な状態も発生しがちな傾向が起きます。その意味では、在来から使ってきた装置は成熟した原子炉発電方式と言えそうです。
   
現代の自動化した機械装置類では、異常が生じたら動作を即時に止めるフールプルーフ(誤作用の阻止)の自動方式と共に、止めてしまうとかえって危険になる場合もあることから、機械を止めずに安全な方向への作用を自動的に動作させるフェールセーフ(障害の救済)の方式を適材適所に両用しています。
   
更に、鉄道・道路管制、製造プラントや原子力発電のような社会的な影響が大きい重要な装置では、自動装置自体に故障などの障害がないか全体の動きに異変はないかを人が監視し制御できる方式も併用しています。言うなれば機械装置の悲観的な予想にも対応している手段とも言えます。
   
そしてまた、監視制御する人間の疲労軽減や表示誤認防止・誤操作阻止を図るために、人間工学やMMI(マン マシン インターフェース:人と機械装置との交流方式)といった手法も採用しています。そのほか、重要なスィッチ類は、ワンタッチで動いてしまう危険を避けるため、2挙動方式という手法も使います。2挙動とは、蓋を開いてから押し釦を押すとか、ロック解除釦を押し乍らスィッチを入れるといった同時両立の操作です。
   
かつての機械装置類は、人よりも機械を大事にして守ることが主眼で、機器の性能維持や装置の安全向上を最大目標とする傾向がありました。一方、装置の保護よりも操作する人間の方を重視し、機械よりも人間の高度な安全化や作業単純化・疲れの軽減・操作のし易さ、目が疲れず表示が紛らわしくなくはっきり読取れる視認性、うっかり誤操作防止の配慮などの人間重視の思想は、欧州が先進的だったと聞いています。
   
スリーマイルの1973年原発危機は、人間工学を考慮していない装置だったため、操作員の誤認や操作する手に持った工具が他のスィッチに触れて不本意な動作が生じた失態が重なり合って重大危機を誘発したとも聞きます。
   
人間工学というのは、人の行動心理学や錯覚などの心理面も含めた総体的な対策で、MMIは人間工学の一部分です。 人間工学のことをなぜか電中研(電力中央研究所=各電力会社共同の研究機関)では "ヒューマンファクター" と呼んでいて、更に広い範囲の人間研究を進めているようです。
   
1982年に原子力発電装置のメーカー各社と監視表示盤メーカー各社が合同して中欧・北欧の諸国の制御監視装備の実態を現地調査したとき、ノルウェーのOECDハルデン研究所(14カ国参加の原発ハード・ソフト面の国際共同研究機関)には、日本の電力系技術員(電中研・原電・動燃)数人が既に1967年から参加していました。電力会社は、装置メーカよりも早くから原発の性能向上や安全化に努力していたわけです。
   
福島第一の事故は、発電設備は運転の安全化を施す装置なのに使い方が悪かったので大事故になったと読んでいます。その使い方の不良には三つの問題点が浮かんできます。 以下は津波の自然災害に対する電発所の機能面を中心に述べます。
   
◆一番目の問題点は、事業策定の手法です。

津波への対策方針をいつの時点で決定したのか不明ですが、福島第一の最初の1号機設計1966年から着工1967年までの間と推測します。津波の推測高さを5.7mとしたとの説と、最終的には6.5m と決定したとの説もあります。そしてこの高さが以降の設備側の設計めやすになったようです。
   
当時は参照すべき諸データが乏しく、対処の設定基準値としては妥当だったと思われます。手落ちが無かったのはこの点だけで、これ以降の策定や手法は問題だらけだった印象があります。問題点の提言やその改善提案を推奨・育成するような制度も無いらしく、問題点解消案などを表彰とは逆に封じ込め罰する社内空気が伺われます。
   
推測5.7m、他説では6.5mの津波高さに対して、経営者は発電設備の対処はこの程度まで耐えればよいと裁定し、それ以上の安全対策を口にする者は会社決定に逆らう者として処罰された気配があり、以降の設定値として定着されてしまったようです。言うならばその設定は独断的な楽観論の推測・対応でした。それを超える大津波襲来の可能性があることは事実です。しかしその可能性が現実化した場合にどう対処するかの悲観的な推測と対策の検討が欠けていました。

大津波の例では、約6,500万年前のユカタン半島に径10km級の隕石による大津波が生じ、高さ数百mから1,000m と推察される海水の壁が発生したことがあります。このような例外は別としても、自然界には予想を遥かに超える現象も起き得るので、予想の一方的な独断は禁物です。科学的な裏付けがある予測現象には、怠らずに対策を講じておくのが常道でしょう。
     
一般論としての近代の事業策定は、今後の進路の [悲観的推測]・[楽観的推測]・[その中間の推測] の場合の対策を考えるのが基本とされています。事業計画を往々にして成功を夢見る楽観的な予測だけで進めがちですが、それは個人企業など近代の経営手法とは縁遠い人が行う経営です。
   
プロの経営は、一般論としては他業種進出・市場撤退なども含めて少なくとも [悲観的な観測] だけは考えておくのが事業進展の安全方向です。
原発の地震対策の場合、振動・衝撃力の備えはあっても、津波・潮流の最悪条件に対する検討や防護の構えが不備だったようです。
潮流による障害が原子炉の冷却不能を起こし、炉の過熱が放射能危機の発端となったのは、誰が見ても明らかです。
   
◆使い方不良の問題点二番目は、情勢変化への対応欠落と社内の風通しが膠着しているように見える点です。

2007年に [新耐震指針] に基づく原子炉方式(沸騰水型・加圧水型など)別予測・対策案は、"原子力安全基準機構" からレポートが出ました。 単なる [予想] のレベルではなく、ほぼ確定の意味の [想定] に値するレベルの公表値です。
年ごとに詳細になり、2009年度のレポートでは津波高さ3-23mごとに、炉心損傷などの詳細な解析が加わりました(毎日新聞2011-5.15日)。
   
"原子力安全基盤機構" 2009年度のレポート(障害の予測など)の要点
  o 防波堤が無ければ、津波高さ7m 以上で :-
  o 13m高さの防波堤では、津波高さ15m 以上で :-
 海水ポンプが損傷。   非常用ディーゼル発電機が機能喪失。
 全電源が喪失。     原子炉建屋内の機器が損傷。
 障害は、ほぼ 100% の確率で炉心損傷まで至る。 (2010年12月公表)

   
福島第1では最初の津波予想値を改めず固執したままだった理由は不明です。 前述のとおり、近隣の海岸ベリで殆ど同じ地勢の福島第2では、津波襲来の影響も福1と福2は殆ど同じだった筈です。
福2は、防潮が完璧ではないものの重要機器を地表高めに設置したほか軽微乍らも若干の対策が施してあったので、辛うじて健全な状態を保持しました。

福1は、福2並み [対策] が施してあったなら、福2と同程度の健全が保たれ大事故・大災害は起きなくて済んだ筈です。 その証拠が、現在の福2の姿です。

が、このことは目下のところはなぜか指摘されていないようです。

上記機構の報告ほか予測津波の対策データ類を当事者が知らなかった筈はなく、新しい情報に対応する努力もせず怠けたのか、社内に 刷新禁止・新対策凍結や費用対効果予測無視の雰囲気があったのではないかと想像されます。

対策に努力したのではなく、怠ったため起きた過失災害なら全面的償いをするのが、人道上も法律上からも当然の責務となる筈です。

          
◆使い方不良の三番目は、予想を超える障害が発生した場合の実行方針・手順・予行演習が不備だったと思われる点です。

企業の内情(内規類、慣行、会社気風など)が不明のため、障害解消のための一般的な傾向だけを述べてみます。
   
異常が生じた場合の処置基準 (実行が必要かの判断、何をどうするかの手順、手順不能のときの代行方法など) が整っていないと障害発生時の即時解消が困難になるのは当然のことです。装置の問題ではなく、取り扱う人間の方の問題と思われます。
    
また、基準があっても消防訓練のように実際に対処演習をしておかないと、現実に異常が発生したときに順調にできなかったり、その都度上司決裁のため時間的に間に合わない傾向が生じがちになります。
発電所の設置後に一度でも実行演習をしておけば、危機対応の技術操作の不手際が未然に解消できますので、今回のように世界中にも電発近隣にも迷惑をかけ、事態収拾の多大な労力と膨大な損顔賠償も生じなかった可能性を強く感じます。
   
非常電源の接続ケーブル不備、ベント作業の障害や応急処置、海水冷却の手順、海水の塩分などによる影響(海水の層=厚さや比重のもとで真水に比べた放射線減速の差異、含有金属系物質類の放射化有無、塩分による機材の電解・腐食効果、等)の認識など、現場が一番よく知っていることを技術を知らない役員と協議したり決裁を仰いで時間を空費したり、今後の改善の教訓となる障害発生が幾つもあったと思います。
             
          
"東電を送電・発電に二分" の案が出ています。財務上の見地からの試案と思われますが、技術・機能面から見ても [発電]と[送・配電]の業務を切り離し、 [送電] 業務だけに限定する方向なら、賛成したくなります。
今の経営体質で、東電に [原子力発電] を任せておくのは、電発近辺の多面他種にわたる被害者の立場から見ても不安があるからです。
   
[配電]の緻密と思える業務も、"計画停電" の不手際を見ると今の経営体質では東電には無理なのではないか、任せておいて大丈夫なのか不安になります。今の東電は[送電] 業務だけに特化するのが無難ではないでしょうか。
一般には送電と配電の区別がつかないと思いますが、技術的な業務は異なっていて、どの電力会社でも[送電]と[配電]は今も別部署になっている筈です。
     
[送電] は概してスケールが大きく、山・谷を越えて送る超高圧の技術が本筋です。送電線へエコー波を送って回線状況を調べたり、他の電力会社間の電力供給・受電の潮流の融通計測などの精密な作業もありますが、障害現場へはヘリで飛ぶなど概して大枠な業務のようです。
[配電] は都市の近くの変電所まで送られて来た電力を、需要家の建家内まで運ぶ範囲です。市街地の地中配電・地上変電などの配電網や障害時の迂回路配電の技術など緻密な業務と、多岐にわたるサービス運営などのきめ細かな業務と思えます。   
   
[発電] は優れた技術者が多数いても、現在のような経営体質のもとでは原発危機がまた発生するのではないか、不安があります。
もし、原発部門の技術者・企画者たちが集団移籍し、開かれた経営陣の組織のもとで活動できるなら、今よりも安全・安心の発電所が出現するのではないかと期待したい願望があります。
        
問題点の前に、原発がほぼ安全と考えている機能面の説明をしておきます。
関心がない方は以下の小部分を読まずに飛ばして頂いて構いません。
       

今回の原発危機は、防潮対策をわざと怠った経営者側の失態と思われ、事業方針などの決定権が無い社員側に落度があったとは考えにくいようです。
原発の安全化装備には重大な落度が無く、人為的なミスが重なったことが原因と見られています。
   
原発が危ない手段だと一言で決め付けて原発廃止の極論を叫ぶ前に、必要な電力量を獲得できる、代りの具体策をWebか書誌類でどしどし提言することが望ましい方向と思います。ただし、誰もが納得できる方式で、裏付けがあり実現できる方向でなければだめです。

原発反対を唱えるなら代りの発電方法の具体案を示すべきで、大いに期待したいと思います。
代案が無く反対だけするのは社会の活動を妨害するだけの反逆行為であり、テロやゲリラと同じ立場になってしまいます。

    
原発の経済面と今後の方向  

今回の原発危機は、自社の道具(設備)を使って社会的な損害と海外諸国への悪影響を引き起こしましたが、当の電力会社には、人畜の生命短縮にまで被害を及ぼした重大な罪の意識が薄いように見えます。
損害賠償は何十年かかっても百年以上になっても弁済してもらう必要があると考えています。刑罰に処され牢屋に入るとしても、弁償を払い終ってからに願いたいものです。
弁償は、東電が弁済せず顧客の一般者から電力料金に上乗せして徴収する不正を廃し、当時の運営者たちの報酬から身銭を削る形で償うのが正道でしょう。
          
弁償のためには、会社が潰れてしまうことなく、細々でも運営して分割払を続け、全額を返済して貰う必要があります。そのために政府が融資するのは、賠償金を一時立て替え払いするだけで、融資する原資の "税" を提供してしまうわけではない筈です。
  
「債務超過」とかいう専門語が飛び交っています。庶民にとって詳しいことは不可解ですが、負債(借金つまり賠償金)が会社財産よりも多い場合は返済しきれないので特別扱いになるらしく、賠償金を払わずに済ませる措置のようですが、とんでもない制度です。
   
経済の理屈は抜きにして、とにかく迷惑を受けた損害は大きい小さいに拘わらず一切すべてを償って貰わないと困ります。目に見えない放射能によって、今後の子・孫の代まで及ぶ有形・無形の迷惑と損失が生じているのですから、償う方も経営の代が変っても弁償を続け完済して貰う制度であるべきでしょう。
   
また、電力会社の過失全容が確定したなら、損害賠償を電力料金に上乗せして被害者に分担させるような料金請求は許されません。被害者へ支払う弁償金を、その被害者から取り立てるという暴挙になってしまうからです。
加害者が身を削ってでも支払わなければならない賠償金を分割し、当の被害者から[電気料金]の一部分の形で取り立てようとする気配があります。払う代金が例え培養額の一部分であっても、道に外れた了見です。
  
地震・津波対策の不備への忠告や提言を無視し、自分の設備・道具を使って社会へ重大な障害を負わせた不始末の弁償代を、電気料金と称して支払先の被害者から取立て、危険を忠告してくれた功ある人から取り、罪も無い第三者からも取る、そんな奇異な弁償方法が行われる筈はないのですが不安です。

不当な料金を防ぐには、一般の需要家も電力料金額を監視し続け、適正な料金を維持していくよう是正努力も必要になります。
      
手短かに言うなら、適正な電気料金は、従来と同じ程度でいい筈です。それ以上の料金となったら支払い拒絶する場合は、料金の自動振込を解除してその都度払いに変更する方法もあります。面倒なように思えますが、理由を添えて払込み方法を変更するか、不払い時の推定適正料金を供託積み立てにする方法を、一回だけ手続きしておけば継続する筈ですので、あまり難かしいことではないと思います。
   ( 料金支払の「 供託方法 」は、料金を支払先(電力会社)へ直接払わず第三者機関へ預け入れる 公的制度 です。電気料金の場合、需要家としては料金を提出しているので「料金未払いによる配電停止」は無く情報など諸サービスも通常どおり受けられる筈です )
    

電力会社失態の償いに、防潮欠陥を裁定した1970年代から役員の報酬も返上すべきとの意見もあります。反面、東電はよくやったきた、今後の返済努力だけでいい筈だとの意見もあります。そして、事業の損益と社会的な犯罪行為の償いとは別問題として考えるべきとの意見もあり、これは妥当と思われます。
    
一方、採決権がある株式の株主も責任を負うべきとの考えがあります。会社の経営に限定範囲乍らも参画していたと考えれば当然でしょう。利益配分を受けてきたなら、損失も分担すべきとの考え方です。
反面、裁決権が無い株・社債類のほか単なる融資は、半ば損得・半ば善意による出資の筈であり、庶民の感覚から見ると経営に不参加であれば賠償責務を負うのは不当ではないかと感じています。
  
         
発電所の周囲だけに防潮堤を巡らせ設備対策も施すとした場合の経費は凡そ何十億円か程度と見込まれます。一方、現実に起きた放射能拡散に基づく損害・損失などの弁償総額は何百兆円にもなるのではないでしょうか。
電力会社の経営者が防潮設備の構え方を決めたとき、今の結果が分かっていたなら、或いは予測ができたなら、それなりの対応策を講じていた筈です。
  
福島第二は対策強化し非常発電機の設置場所や冷水ポンプの配備も改善されて福島第一のような重大事故は起きませんでした。
福島第一の方は、原子力安全基準機構から大津波による障害予測が年々次第に詳細に報告され、電源・ポンプ・炉心の具体的な重大事故が警告されたにも拘わらず、準備期間は十分あっても何も対策強化しなかった理由は謎のままです。
         
電発が負う弁償は、放射能避難の移動時に起きた住民・家畜類の死亡や経済的損害、機会損失、精神的痛手の慰謝料、物質的慰謝料(従前と全く同じ事物・状態を再出現するための難易手数など)、そして海外諸国へ及ぼした風潮被害とその影響による国家的な損失、そして発電所側の被害・負担などの補償換算額と実質的な金銭弁償額の総計です。
          
社会を支える大電力発電の今後については、原子力によらない他の方法があるなら、安全・安定して永続使用ができ(と言っても数十年以上)採算がとれて立地面や資本面でも建造可能なら、その実用化は誰しもが望む方向です。
しかし実用化には中期的な実験使用や運用上の改良が必要になる筈で、今すぐ実行できることにはなりません。
   
大電力発電によって社会を支えるには、当面は不本意ながら原子力のエネルギーを使った発電方式によらなければ、ほかに手段が見当らない状況です。
原発にすべきとは言いたくありませんが、電力は社会を支える一端ながら欠かせない原動力でもあり、明るい将来を期待するには必要な電力を原子力に頼らざるをえないのが現実です。 そういった感覚が社会常識というものでしょう。
       
ところで、東電(:東京電力)には計画停電の指令で被災地を停電にしてしまう社員がいたり、私用なのに自衛隊機の出動を要請する経営者が居たりで、上から下までが常識に乏しい体質があるようです。今の時期に会社批判をするような不心得のつもりはなく、今後の改善を期待するため東電の振る舞いに是正を望みたい点を述べたいだけの意図です。
   
御存知のとおり福島原発は技術的に万全の構えだと思っていたところが、防潮対策だけが不備だったために大事故を誘発してしまいました。
県民だけでなく世界中へ迷惑をかけ、海外諸国の救援を仰ぐ結果も招きました。
       
今後は、技術面の不慣れや放射能避難で住民への思いやりが見当違いの措置にも見えるのに居住者の心情・立場に無頓着な政府と、非常時への対応が愚かに見える東電に更なる手抜かりが生じないか、福島近辺だけでなく日本全国の国民で電力会社を見張っていく必要がありそうです。
   
原子力のエネルギーによる発電は今後も続行せざるを得ない状況ですので、原発再開や増設のためには、被害者となり得る立場の国民も最大限の監視をしていくことが今後の課題と思います。
      

福島事故の解明報告は世界の原発計画の参照材  

以上のうち推測や仮定した内容はほぼ正しい筈ですが、目下のように詳細が不明の段階では推察としか言えません。 当記事の転載や伝達は構いませんが、尾ひれをつけたような情報が口伝えなどで広まる行為は歓迎できません。
証明付きの正しい事実は、いずれ原因とその結果がすっかり判明するでしょう。 全体像は NHK"クローズアップ現代" などで公表される日を待ちたいと思います。
  
目下のところ世界の各地で原発設置の再検討、原発反対運動が起きています。 日本の福島原発事故への不安が発端と思われ、原因の解明が待たれます。
福島原発事故は「津波の潮流対策が施してあったなら安全だった」と判明すれば、各国の不安も解消し今後の諸国の政策への参考になりそうです。
国際的にも影響を及ぼした重い問題として考えておきたいと思います。
   
   
末筆になりましたが、今回の東日本大震災へ
謹んで 津波災害、地震災害、放射能難儀の
お見舞いを申し上げます
   
______________________________

(参考) 利用可能な天然資源の例    初掲'11-5/17 修正'16-4.03 (b7x)

発電その他に利用する天然-資源(エネルギー)の種類について、Web上の参考分類資料 ( 記事1 記事2 記事3 )を凝縮・整理して次に示します。    

    o 自然エネルギー [太陽光,風力,太陽熱,地熱,水流,海流,波動,潮汐]
     (環境エネルギー) ("水頭"力は 水力発電や流速力消火など特定向)

資源
  o 培養エネルギー [発酵熱,培養ガス熱,培養体燃料,微生物燃料電池]
 形態  
  (微生物エネルギー /発酵エネルギー , 微生物電流 )
   
    o 放射線エネルギー [核分裂, 核融合]
      (原子力エネルギー /核エネルギー)

◆備考1.
[圧力発電]に属する踏板発電や伸縮検出(電磁誘導やロッセル塩類・チタン酸バリウム類などによる起電力)は、自然エネルギーそのままではないことや発電力も小さく実用電力に満たないので対象外としました。
[微生物燃料電池]は実用化試験中です(概要:広島大-柿園俊英教授/Ohm Bulletin 2011-冬188号)。
[ 核融合 ]は5か国共同で2030年ごろ発電実験を目標に進行中で夢物語ではなくなりました。
原子内の電荷が逆の[ 反物質 ]は小規模な生成が成功した段階で、その融合熱の実用化は将来になりそうです。
[液体・気体の膨張力(正負圧)]や[輻射波(太陽風)] など実用試験前のエネルギーは省略しました。
   
◆備考2.
太陽風・雷電力から地底熱までの広範な [天然エネルギー] のうち、実用電力を取出す風・潮や太陽光などの特定の資源だけを指す名称が必要です。 その特定範囲は [再生可能エネルギー] の表現で 2011年(平成23年)に 法・令名に記載 されました。

特定範囲を識別する約束事としての新名称が決まったのは喜ばしいのですが、エネルギーの[再生]という現象は存在しないので、虚偽表示になってしまう違法問題やその他の問題が生じてしまいました。
風・潮や太陽光などの物質が持つ自然エネルギーは、流れてくる (速度や成分が時々刻々と微変する) 新鮮なエネルギーです。 以前の通常のエネルギーを呼び出す意味の [再生] は、現実には発生も存在も不可能です。
(注:太陽光は、コロナ活動などによりスペクトル成分が絶えず変動しています)

再生可能エネは誤称であることの認識がまだ周知されておらず 法・令 名も未修正で、適正なエネルギー名称が待たれたままの珍しい例です。
法令であっても稀には 名称修正の必要が生じる場合 があるので、自分で正否を判断し、真偽を承知の上で見聞きする意識が大切です。
   
◆備考3.
放射能以外で自然エネルギーから電力変換を実用化した順序は、概して次のとおりです。
    水力(揚水)、 地熱、 太陽光、 風力、 潮汐。
このうち太陽光と風力の発電は、地域によっては導入順序や実施規模が多様になる状況も起こります。
潮汐発電 は、天候変動の影響がなく常に所定出力が望めるのが特徴です。実施例はありますが、日に往復4回だけの短時間発電なのに設備規模が膨大になり費用対効果が極端に悪いので、営利事業には向かないようです。
なお、黒潮・親潮類の [海流(潮流)発電] は24時間稼働で、潮の満ち引き時に正逆流する [潮汐発電] とは別形態です。
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
[再生可能エネルギー] の実像
天然のエネルギーから電力を取出すには、太陽光や風・潮・地底湯などの物質が持っている電子の波動エネルギーや運動エネルギーなどを電気エネルギーに変換することになります。
  太陽光  :
光の波動エネルギー → 発電素子へ照射し起電 → 電流の発生
  風力・潮力:
空気・海水の運動エネルギー → 羽根車による回転力 → 発電機
  地底熱  :
地熱で蒸気圧を発生 → タービンによる回転力 → 発電機

再生と言ってもいいか悪いかの前に、昔から決まっている国語の定義を確認してみます。
  物質の再生:
資材の場合、動物・植物の場合、結晶体の場合、以前の物質が出現すること。
  現象の再生:
録音・録画の場合、演出の場合、以前の状況を再現すること。
  自然力再生:
風・潮・光・湯などの物質が持つ流速・熱などのエネルギーは、流れくる端から散失し再出現や再生は不可能。
  連続発生するのは同性質の [新規エネ] であり、以前のエネそのものが再び発生する [再生エネ] ではない。
  (ここで言う散失とは、流れてくる流速・電子・熱などのエネルギーが分散したり熱エネなどに変化して利用できなくなる状態をいい、存在していたエネルギーが消滅・皆無になる意味ではない)

[再生可能エネルギー] に代る別称として、次のような呼び方(案)があります。
  [抽出エネルギー] :
風・潮・光などから回転力・電子流などを取出した意味。取出した新規エネなので英文Renewable (新規化)の意味を含んでいる。[採取エネルギー]とも。
  [再利用エネルギー]:
流れくる自然エネを発電用エネとして利用する概念。新たな発電用エネを指すので英文Renewable (更新性)の意味を含んでいる。[活用エネルギー]とも。
  [変換エネルギー] :
自然エネを電気エネの形で取出す場合のエネルギー。取出す別種エネを指すので英文Renewable (新仕様)の意味を含んでいる。[転化エネルギー]とも。
___________________________________

   
[現象]の現実は、採取場所ではエネルギーが続々と[新規到着]している状態であり、以前のエネルギーの[生成]や[再生]はありません。また、到着エネルギーはいつも僅かに変動しているので以前とは成分やエネルギー分布・速度・量などがまったく同一ではなく、再生や複製とは呼べないことが明確に分かっています。
   
[観察]の表現として、自然エネルギーを採取する場所でエネルギーが湧き出ている、以前のエネルギーが再び湧き出る(再生)、とするのは感覚的な想像であり真実ではありまん。 利用する [エネルギー] は科学現象なので、想像や文学的な表現ではなく真実を表す必要があります。

[国語]の立場から見て、光・風・湯などの物質が携えているエネルギーは[再生]ではありません。
発電に使う自然エネルギーは、物質が持つ運動や熱のエネルギーです。「エネルギーの再生」は辞書にありません。実存しないからでしょう。 方や「物質の再生」は、以前の資材そのままをもう一度取り出して活用する意味です。しかし、発電に使う自然物質は再生しません。 なぜかは既に説明ずみですが自身でも考えてみて下さい。
___________________________________

[再生エネルギー]誤称の見聞による弊害発生だけなら大した問題ではありませんが、引用する場合を除き、自由意思で 書き・話し・公表すれば虚偽事項の行使となり法律違反の重い問題です。
また、再生するかのような嘘の知識は子供の教育に悪く、錯誤表示が社会の流れに直接・間接の弊害を招く恐れがあり、誤称による取違えが原発誤操作などの障害を招く恐れもあり、将来も継続して庶民も官吏も政治家も国民全員に及ぶ問題です。

再生可能エネルギー名は俗称として20年以上前から呼ばれていましたが、H.23年には誤称にも拘らず 法・令名に記載 されました。
俗称から格上げして法令名ということになると、国語の「再生」の解釈が該当せず、現実の現象も発生不能の虚偽事項なので、決定的な法律違反の名称を法律で制定しているということになります。

再生していると誤認したのは、現象の認識力不足と国語の再生の解釈が正しくないこととが相乗した結果とも想像します。
しかし、2年以上も前から各サイトで誤りの指摘や事象の解説が示されているにも拘らず改まらないのは、本当は[再生]が発生するのでしょうか。それなら、再生エネルギーがどのようにして行われるのか、説明して貰う必要があります。

今さら「再生可能は誤りでした」と言われても通用しません。 国民の多数が疑念を持っていた「再生可能」の真意を、可能と唱えていたマスコミも文化人もそれぞれが解説する義務が生じています。しかし再生現象の解説が示されず 正しい呼び名も示されないなら、虚構で科学と社会の活動を進める行為にほかならず、危険な世情とも思えてしまいます。
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'11年8月26日[再生可能エネルギー固定価格買取制度] の導入・実施が決定されました。
大規模な個別発電の売電も可能になり、地方自治体や中小企業以上による発電参加によって、停電など電力不足の状況が改善されると期待されています。
そこに示されている「再生可能エネルギー」の現象と実体は現実に存在しないのですが、本当の意味を取り違えて[再生]と呼んでも、問題が生じるようなことだとは考えられていないようです。

「再生」には、物質の態様では(1)資材の場合、(2)動物・植物の場合、(3)無機物質の結晶体の場合の三通りの定義があります。資材の場合は、どの事典類でも「原資材を加工して利用する場合」を前提とした説明になっています。原資材を母体とし、派生された再生部分と母体とは分けて考えるべきとの注意も示されています。
  
地熱・風力・潮力などの自然エネルギーは、熱量を持った湯という物質、風力や潮流は流速と流量を持つ空気・海水の物質、太陽光は波動と粒子量を持つ光子(光の粒子)という物質ですから、上記(1)該当です。
  
もし"再生可能エネルギー"が真実なら、"以前に発生した熱湯がもう一度湧き出るのが可能" ということでしょうか。 新鮮な風とは別に以前の風が取り出せる、流れる潮ではなく以前の潮流が発生できる、という意味に受取れますが、そういう現象はあり得ません。
以前に流入したものと新しく続々と流入してくるものとは、性質は同一でも量や成分が変動している別物であり、同一ではありません。
  
国語の解釈によると、自然現象とそのエネルギーが「再生」する状態は対象外で、国語として定義されていない誤った解釈ということになります。
「再生エネルギー」の学術用語は登録されていません。通常のエネルギーの「再生」は存在せず、研究テーマにも挙がらないためと思えます。
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[自然エネルギー]を利用して発電する場合、[再生可能エネルギー]とは何を意味するのか、呼称によって何か支障があるのかなど、関係する問題について頭の中を整理しておきたいと思います。
  (問題点の詳細は [ 再生可能エネルギーの実体は何か ] や [時の話題(社会保障、自然エネ発電)]-第三話[自然エネルギーから電力を取出す方式]に解説されています)

法令名の改題は 改題された法令名の一覧 に見るように多数例があり、改題される場合の手続き自体には特に問題はないと思われます。

まず、社会的に支障が起きそうな問題点が少なくとも3件出ていることをお伝えします。
◆自然現象の誤認:自然エネルギー利用の発電原理が万人によく理解されていないためか、中古相当の[再生エネ]だと誤って解釈され、真実の現象を歪め将来を担う教育面でも思わしくない。
◆国語の不当解釈:新規エネルギーとしての[発生]・[採取]・[生成]や[変換]に類する現象に対し、[再生]・[再生可能]と称して誤った語意の解釈を普及させ日本語を乱している。
◆社会の障害予想:自然エネを[再生可能]と誤解することで、真の[再生可能エネ]該当の核燃料・ウラン炉材の取扱い上で混同・軽視による事故発生の危険性を秘めている。
の三点です。

特に、使用済み核燃料やウラン炉材は[再生可能エネ]に該当することから、自然エネ別称と混同・混乱が出る恐れがあります。
 
海外と対話する場合、発電に利用する自然エネルギーは外国語で[renewable energy]と呼んでいます。[新規生成エネ] か [更新エネ] の意味で呼ばれているようです。日本では、リサイクルの意味や複製加工を意味する[再生可能]と呼んでいるので、諸国とは意味の違いが生じてしまうと思われます。

万が一、[自然エネルギー]をリサイクル・再発生のように解釈している国があったら「それは間違っている」と教えて上げるべきでしょう。

"際限なく発生して枯渇しないから[再生]と呼ぶ" との説もありますが、枯渇しない状態を言うのなら[無尽]とか[不渇]と呼ぶのが妥当です。
利用する場所に到着する光エネ、その場所に流れている風・潮エネルギーは、新鮮な[連続存在エネ]とか[利用可能エネ]と言うことになります。使った元の現象を再度使う[再生]は現実には発生できない不可能な現象です。変換して発電した電気を再度使う[再生]も、自然現象としては不可能です。

意味の真偽を確かめず、存在しない現象を公式名に定めるのは大自然に対する冒涜とも思えます。
この国は一体どうなっているのでしょうか。
命名者は現象の誤認に気付かないように思います。法令命名のルールを是正する必要を感じます。

エネルギーが再生できるというあり得ない現象「再生可能エネルギー」を政治家までが日常口にしています。慣用語だから仕方ないと言っていられない支障が幾つか予測されています。早めの誤称修正と法令名の改題が望まれます。

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何か問題点があれば、改善策をみんなで考え、小さな努力でも社会が少しづつでも快適になっていく姿を見ることができます。

他者の説は「うそではないか」「真実か」疑問をもつ態度も必要です。
わずかな推察でもいいので、自分で考える習慣をつけましょう。
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(編集後記)              2013-6.29 (ver.o1h.)  
再生可能エネルギーの呼称は、最近の図書で命名者が判明しました。
最近出版された [これからのエネルギー](岩波ジュニア新書/'13-6.21発売) 中の余談(コラム1)で、著者の槌屋治紀博士(機械工学) が1979年に経済学者の室田泰弘さん同意で「英語のRenewable Energy を直訳した」とのことです。
   
英文の Renewable は、別エネルギーの形で取出す「新規可能」とか、新規エネルギーによる「新出化」といった意味で使われ、以前のエネルギーのリサイクル [再生] の意味ではない筈です。

科学現象でありながら今まで侃々諤々( かんかんがくがく。喧々諤々=ケンケンガクガクは俗称) の議論も無かったのは、論議しなくても誤認・誤称という答が明白だったからでしょうか。

誤称した原因は、[再現] や [再生] が身直で多用される言葉であったためか解釈を独断し、[再生] の定義をよく確かめなかったのでしょう。
   
「エネルギーが再生する (再生可能である)」という表現は法律違反の虚偽事項のほか、将来は社会を担う若年層へ嘘を教える弊害など、社会で思わしくない支障が出ることが危惧されていますので、早急な改称が望まれます。

学術名の改称は学会や文部省・経産省(エネ庁)などとの関係もあり手数がかかりそうですから、ここは単純に名付けた本人が改名して公表するのが最善ではないでしょうか。
教養図書で誤称を広めた責任の一端がある出版社 (岩波書店) にも協力願って、代わりの正当な名称が円滑に早く決まるよう願望します。

誰でも自説が間違っていても正当化したいのが常道ですが、そのような姑息な手段はとらないよう望みます。また、適切な提言があっても自分に都合が悪ければ知らない振りをするような行為も歓迎できません。出版社も命名者も共々、今後の社会の有益な方向をとるよう期待します。


( 参考 ) 
用語の誤用・乱用を正し文法・文体の正しい用法が一目瞭然の書を紹介します。
    「日本語練習帳」 大野 晋 / 岩波新書
    「日本語の教室」 大野 晋 / 岩波新書
   
============================ ( 原発問題 )


 

   
  
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社会 | コメント(0) | トラックバック(1) | 2011/03/20 17:18
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